"Pour être irremplaçable, il faut être différent. "
かけがえのないものであるためには、違うものでいなければならない。
心地よいココシャネルの言葉が皮肉に聞こえる世界に、私たちは生きている。
違うこと(差異を持つこと)が尊厳を担保しない世界に私たちはいるからだ。
iphoneを持ちSNSを開くと即座に現れる。
政治的な志向に留まらずルックスや思想、小さな差異ですら対立を生み、極限まで顕在化している時代。
もちろんそれ自体は良いことだ。違いを認められない世界へ抵抗ができることは素晴らしい。
しかし一方で思う。私たちはかけがえのない存在になれているのだろうか?
違いが顕在化してもかけがえのなさは一向に豊かになっているとは言い難い。
私の今回の個展はそれに対するささやかなあらがいでもある。