道端の土のように、当たり前にある感情。
その下に、白い暗渠がある。
川や水路に蓋がされ、外からは見えなくなった
道のことを、暗渠という。
見えなくなることは、消えることではない。
私たちが当たり前のように抱える感情や、
自分がここに存在しているという感覚。
深く見えないその下には、感じる者の命
そのものを支える、白く静かな流れがある。
たとえ遠く離れた美しいものに呼びかけられなくとも、
その流れは止まらない。
日々のささやかな感情のすぐ下を、
私たち一人ひとりの内側で、
白い暗渠は静かに流れている。
-高橋 遥
この度 hide gallery では、7月11日(土)~7月26日(日)の会期にて、高橋遥の個展「白い暗渠」を開催いたします。
本展は、高橋にとって当ギャラリーでは二度目となる個展であり、最新作のペインティングを展示いたします。
1994年北海道釧路市生まれ、現在は東京を拠点に活動する高橋は、これまでに「存在」「景色」「痕跡」「脈」などといった言葉を手がかりに、独自の身体観と普遍的な感覚の狭間にあるものを、都度手法やメディウムを選び直しながら探究し、表現へと繋げてきました。本展「白い暗渠」でも、その探究の軸は変わることなく、人間のもつ「実在感」をテーマに、矛盾を抱えたまま成立し続ける知覚の状態や、そのあいだに生じる揺らぎや問いを見つめます。平面作品と木製のパーツを組み合わせた新作では、平面と立体の関係性を手がかりに、これまでの探究が新たな造形として結実しています。
暗渠とは、本来そこに流れているにもかかわらず、地表からは見えなくなった川や水路を指します。本展タイトルに掲げられた「白い暗渠」は、日々の感情や「存在している」という感覚の奥底にある、目には見えない流れを想起させます。平面と立体を往還する作品群は、そうした実践の先に、絵画をかたちづくる境界や輪郭をゆるやかに揺さぶりながら、目には見えない感覚の在処を静かに浮かび上がらせます。高橋がまなざす微細な世界を、ぜひご高覧ください。
在廊予定日:7/11(土)、7/26(日)