White topology − Before the emptiness −
Maki Imoto
2024.11.02 - 11.24
White topology − Before the emptiness −
Maki Imoto
2024.11.02 (sat) - 11.24 (sun)

「つくること」とは、誰かが為すことでも何かが成ることでもなく
あいだの領域で、さまざまが綯交ぜになって動いていく、その動きのこと。
わたしと素材とのあいだに結ばれ続ける、為すことも成ることも抱えた、動的な関係の在りよう。
作品とは、その接点に立ち起こった出来事のことです。 -井本真紀

ガラス作家 井本真紀は、石膏の型にガラス粉末を詰めて電気炉で焼成する技法で、これまで数多くのガラス作品を発表してきました。2023年には「LOEWE Craft Prize」のファイナリストにも選出され、その活躍の場を海外にも広げています。つくることを、作者と素材の間に結ばれた「動的な関係の在りよう」としてとらえ、作品をその接点にて立ち起こった「出来事」と独自に定義する井本の作品は、ガラスの溶け、垂れ、収縮、亀裂や滴りによって立ち起こった触覚的な知覚体験を、ガラスという素材を通じて「確かにそこに在る」という事実そのものとして表現してきました。今回、「白の位相 -Before the emptiness-」と名付けられた本展覧会は、これまでずっと、すり潰した粉ガラスを用いて制作してきた井本が、粉ガラス以外のガラスを使って、はじめて「透明」の作品を制作したことに端を発します。

本展では透明の作品のほか、井本の顔とも言える粉ガラスの作品に加えて、ガラス欠片を集積させた作品など、新旧まじえた作品群を展示いたします。作家の現在地を見渡し、近年の成果を周知する展覧会とも言えます。作家の思考と実践の地点として、この機会にぜひお立ち会いください。

Artist Profile

井本 真紀

兵庫県生まれ。2010倉敷芸術科学大学大学院後期博士課程単位取得退学(2011.博士(芸術)) 「LOEWE Craft Prize 2023」Fainalist, LOEWE FOUNDATION/スペイン(2023),「ひかりの底」TERRADA ART COMPLEXⅡBONDED GALLERY/東京(2023),「New Glass Review 42」The Corning Museum of Glass/アメリカ(2022)他