強さと脆さが共存するガラス表現を探求し、日常で目にふれる、いきものの生死の循環をテーマに凝縮した空間と時間をお届けできればと思う。−米津真理奈
関西を拠点に活動する米津真理奈(1994-)は、昨年個展活動をはじめたばかりの、若手ガラス作家です。
富山ガラス造形研究所、金沢卯辰山工芸工房といった北陸地域で、ガラス技法を磨いてきました。
米津は、一度鋳造したガラスをバラバラに砕いたのち、再びそれを組みあげる行為を通して、存在することや死について思索しています。
加熱したガラスを急冷することでできた鮮烈なヒビと、そのヒビの隙間にのぞくガラスのかがやきに、鑑賞者は相反する皮膚感覚にはじまり、複数の時間、記憶を会得することでしょう。
「ビオトープ」(生物の生息空間を示す語)と題された本展は、近年米津が取り組んでいる動植物のモチーフと、hide galleryの空間が出会ったことによって生まれました。
米津の新作ならびに旧作を含んだ一連の作品群が、自然が垣間みえる展示空間を舞台として、独自の世界を構成します。